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子育て行政投資ランキング — 児童福祉費で見る手厚い街

自治体が子育てにどれだけ予算を投じているか。児童福祉費(子ども1人あたり)で比較し、行政が本気で子育てを支援する街を見つけましょう。

最終更新:2026年3月 ・ 出典:e-Stat

子育て支援の「手厚さ」を客観的に測る方法の一つが、自治体の児童福祉費を子ども人口で割った「子ども1人あたり児童福祉費」です。この数値が高い自治体は、保育所の整備、児童手当の上乗せ、放課後児童クラブの運営など、子育て関連サービスにより多くの予算を投じています。

この記事では、政府統計データ(e-Stat)に基づき、子ども1人あたりの児童福祉費が多い自治体をランキング形式で紹介します。保育所数や児童福祉施設数もあわせて掲載しています。

なお、全国の子ども1人あたり児童福祉費の平均は994千円(約10万円)です。

1. 児童福祉費とは?

児童福祉費は、自治体の歳出のうち児童福祉に関する経費です。具体的には以下のような項目が含まれます。

児童福祉費に含まれる主な項目

・保育所の運営費・整備費

・児童手当・児童扶養手当の支給

・放課後児童クラブ(学童保育)の運営

・子ども医療費助成

・母子保健事業(乳幼児健診、産後ケアなど)

・児童福祉施設(児童館、子育て支援センターなど)の運営

・ひとり親家庭への支援

マチスコアでは、この児童福祉費を15歳未満人口(子ども人口)で割ることで、子ども1人あたりにどれだけの行政投資がなされているかを指標化しています。

2. なぜ児童福祉費が子育て環境の指標になるのか

行政の「子育て優先度」を反映

限られた予算の中で児童福祉に多くを配分しているということは、その自治体が子育て支援を重要施策と位置づけている証拠です。予算配分は自治体の方針を最も直接的に反映するため、「子育てに力を入れている」という宣言以上に、実際の数字が物語る指標です。

保育サービスの充実度と直結

児童福祉費の大部分は保育所の運営・整備に使われます。子ども1人あたりの児童福祉費が高い自治体は、保育所の数や質(保育士の配置基準、延長保育、病児保育など)が充実している傾向があります。待機児童の解消にも積極的に取り組んでいることが多いです。

独自の上乗せ支援の源泉

医療費助成の拡充、出産祝い金、給食費の補助など、自治体独自の子育て支援策の財源は児童福祉費に含まれます。この数値が高い自治体ほど、国の制度に上乗せした手厚い支援が期待できます。

3. 子育て行政投資ランキング TOP30

人口1万人以上の自治体を、子ども1人あたり児童福祉費の多い順に並べたランキングです。保育所数や児童福祉施設数もあわせて掲載しています。

1 福井県 高浜町
1853千円
保育所: 3 福祉施設: 5 子ども比率: 11.6% 財政力: 1.04
2 青森県 六ヶ所村
1624千円
保育所: 5 福祉施設: 5 子ども比率: 10.3% 財政力: 1.69
3 三重県 南伊勢町
1491千円
保育所: 6 福祉施設: 6 子ども比率: 5.9% 財政力: 0.21
4 京都府 京丹波町
1417千円
保育所: 3 福祉施設: 3 子ども比率: 8.4% 財政力: 0.28
5 東京都 千代田区
1371千円
保育所: 10 福祉施設: 15 子ども比率: 13.5% 財政力: 0.00
6 高知県 宿毛市
1309千円
保育所: 11 福祉施設: 15 子ども比率: 10.4% 財政力: 0.36
7 和歌山県 みなべ町
1225千円
保育所: 4 福祉施設: 5 子ども比率: 12.1% 財政力: 0.32
8 岩手県 八幡平市
1197千円
保育所: 11 福祉施設: 12 子ども比率: 8.8% 財政力: 0.30
9 石川県 志賀町
1190千円
保育所: 6 福祉施設: 7 子ども比率: 8.9% 財政力: 0.57
10 東京都 新宿区
1156千円
保育所: 51 福祉施設: 79 子ども比率: 8.4% 財政力: 0.00
11 東京都 豊島区
1127千円
保育所: 49 福祉施設: 77 子ども比率: 8.8% 財政力: 0.00
12 石川県 宝達志水町
1126千円
保育所: 5 福祉施設: 6 子ども比率: 8.9% 財政力: 0.39
13 東京都 文京区
1124千円
保育所: 52 福祉施設: 71 子ども比率: 11.7% 財政力: 0.00
14 北海道 紋別市
1120千円
保育所: 5 福祉施設: 11 子ども比率: 9.3% 財政力: 0.32
15 東京都 中野区
1119千円
保育所: 52 福祉施設: 89 子ども比率: 8.4% 財政力: 0.00
16 東京都 港区
1115千円
保育所: 47 福祉施設: 64 子ども比率: 13.3% 財政力: 0.00
17 東京都 墨田区
1112千円
保育所: 55 福祉施設: 83 子ども比率: 10.3% 財政力: 0.00
18 埼玉県 神川町
1108千円
保育所: 3 福祉施設: 3 子ども比率: 10.1% 財政力: 0.50
19 東京都 荒川区
1103千円
保育所: 44 福祉施設: 61 子ども比率: 11.3% 財政力: 0.00
20 東京都 品川区
1101千円
保育所: 87 福祉施設: 132 子ども比率: 11.1% 財政力: 0.00
21 東京都 杉並区
1084千円
保育所: 91 福祉施設: 157 子ども比率: 10.0% 財政力: 0.00
22 石川県 珠洲市
1078千円
保育所: 8 福祉施設: 9 子ども比率: 7.2% 財政力: 0.22
23 宮崎県 串間市
1072千円
保育所: 11 福祉施設: 11 子ども比率: 11.5% 財政力: 0.30
24 京都府 与謝野町
1060千円
保育所: 6 福祉施設: 6 子ども比率: 11.0% 財政力: 0.28
25 和歌山県 串本町
1045千円
保育所: 2 福祉施設: 3 子ども比率: 8.3% 財政力: 0.26
26 東京都 北区
1042千円
保育所: 73 福祉施設: 109 子ども比率: 10.3% 財政力: 0.00
27 宮城県 丸森町
1026千円
保育所: 4 福祉施設: 5 子ども比率: 8.7% 財政力: 0.30
28 東京都 台東区
1023千円
保育所: 29 福祉施設: 44 子ども比率: 8.8% 財政力: 0.00
29 北海道 浦河町
1022千円
保育所: 7 福祉施設: 9 子ども比率: 10.3% 財政力: 0.30
30 奈良県 御所市
1020千円
保育所: 8 福祉施設: 9 子ども比率: 7.6% 財政力: 0.40

※ 人口1万人以上の自治体が対象。児童福祉費はe-Statの最新データに基づく。

4. ランキングの傾向分析

都市部の自治体が上位に

都市部の自治体は保育所の運営コストが高い(地価・人件費)ため、子ども1人あたりの児童福祉費も高くなる傾向があります。ただし、これは必ずしもサービスの質が高いことを意味するわけではなく、コスト構造の違いによる面もあります。

子育て支援に積極的な自治体の特徴

ランキング上位には、子育て世帯の誘致を重点施策として掲げている自治体が含まれます。人口減少対策として子育て支援に集中投資し、医療費の完全無償化、保育料の第2子以降無料化、出産祝い金の支給など手厚い独自施策を展開しています。

財政力との関係

児童福祉費の充実には一定の財政力が必要ですが、財政力が高い自治体がすべて子育て投資に積極的とは限りません。逆に、財政力は平均的でも子育てに予算を重点配分している自治体もあります。財政力指数と児童福祉費をあわせて見ることで、自治体の子育てへの本気度を見極められます。

5. 児童福祉費の注意点

1.

コスト構造の違い:都市部は物価・人件費が高いため、同じサービス水準でも費用が高くなります。金額の大小だけでなく、具体的なサービス内容を確認しましょう。

2.

国庫支出金の影響:児童福祉費には国からの補助金も含まれています。自治体独自の上乗せ分だけを抽出することは難しいため、この数値は「子ども向けの行政サービス全体のボリューム」と捉えてください。

3.

子ども人口の影響:子ども人口が極端に少ない自治体は、1人あたりの金額が大きくなりやすい統計的な特性があります。人口規模もあわせて確認しましょう。

児童福祉費は子育て支援の充実度を測る有力な指標ですが、財政力や医療・教育環境と総合的に評価することが大切です。マチスコアの子育て移住おすすめランキング財政力指数ランキングもあわせてご活用ください。

6. 児童福祉費の内訳 — 何に使われているのか

保育所運営費が最大の構成要素

児童福祉費の中で最も大きな割合を占めるのが、保育所(認可保育所・認定こども園等)の運営費です。保育士の人件費、施設の維持管理費、給食費などが含まれます。特に都市部では保育士の確保が困難なため人件費が高騰しており、子ども1人あたりの児童福祉費が高い自治体でも、その多くが保育所運営費に充てられているケースがあります。児童福祉費の総額が大きいからといって、すべての子育て分野に均等に予算が配分されているわけではない点に留意が必要です。

児童手当等負担金と放課後児童クラブ

児童手当(国の制度)の自治体負担分も児童福祉費に計上されます。これは全国一律の制度であるため自治体による差は小さいですが、児童福祉費の一定割合を占めます。また、放課後児童クラブ(学童保育)の運営費も重要な構成要素です。共働き家庭が増加する中、放課後児童クラブの充実は子育て世帯のニーズが高い分野であり、自治体によって開所時間や対象学年、利用料金に差があります。

自治体独自の上乗せ支援

子育て支援センターの運営、子ども医療費の助成拡充、出産祝い金、ひとり親家庭への支援など、自治体独自の上乗せ施策も児童福祉費に含まれます。児童福祉費の総額だけでなく、具体的にどのような独自施策が実施されているかを確認することで、その自治体の子育て支援の「中身」が見えてきます。各自治体のウェブサイトや子育てポータルで、具体的な支援制度を確認することをおすすめします。

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